「拈華微笑(ねんげみしょう)」という言葉をご存知でしょうか?

お釈迦さまと弟子の摩訶迦葉との間で起きた奥義伝承の美しい物語です。

だいたいこんなお話しです。

 

『お釈迦さまが説法の座に着かれました。 すでに多くの弟子達は集まって説法が始まるのを待っています。 しかし、なかなか説法が始まりません。 しばらくしてお釈迦さまは一輪の華を胸の前にかざしてゆっくりと拈りました。 集まった弟子達は誰もその真意を理解できませんでしたが 唯一人、摩訶迦葉だけは静かに微笑みました。 この瞬間、法の核心が師から弟子に伝えられたのです。』

 

静寂に包まれた息を呑む美しい瞬間です。

東洋の学びは言葉を超えて継承されていくことの方が多いようです。

 

先日、日本チネイザン協会の13期生が全ての過程を終了し卒業されました。

OL、看護師、セラピスト、経営者、主婦、翻訳家などバックグラウンドの異なる方々が それぞれの目標を持ってチネイザンを学ばれました。

今回新たな試みとしてチネイザンのテキストが編纂され受講生に手渡されました。

苦労されて作成されたテキストなので是非、おおいに活用していただきたいものですが テキストに書かれてある文字だけを追わないように注意して下さい。

 

施術に躓いたり迷いが生じた時、50ケース達成、100ケース達成した時等節目の時に初心に戻るために、折に触れてテキストを開けて下さい。

 

その時に クラスの雰囲気はどうだったか?

仲間の表情は?

お腹にタッチした時の感じは?

呼吸は?体温は?匂いは?

 

 

自分の心は何を感じいたのか等を思い出しながらテキストをめくって下さい。

そこに言葉を越えて多くの事が心の奥深くに継承されていると思います。

 

 

すでにチネイザンの核心は伝えられています。

 

クライアントをお迎えする時、そっと微笑みを添えてみてください。

 

 

永原佳和

()日本チネイザン協会認定チネイザンプラクティショナー(レベルII) 東洋的身体操作に興味があり、ヨガ・武術・気功・療術を学び指導もしています