チネイザン養成コースを修了し、いざモニター100ケースの道に入った時、とりあえずお腹を貸してもらうのは家族から。

まだ10ケースにも満たない時に母に頼んで施術をさせてもらいました。

 

それまでの私の人生で母のお腹をじっくりと見る機会などなく(おおかたの方

はそうだと思いますが)

彼女のお腹を目の前にした時はなんだか少し気恥ずかしい気持ちになりました。

 

そして母のお腹に触れたとたんに起こった感情は

「あっ、この人は私のお母さんなんだ」

母ではなくお母さん。大人になると、自然な事ですが大人になった自分の視点でしか親を見られなくなります。

 

でもお腹に触れたとたん、とても不思議ですが子供の頃の視点で母を感じ、見る自分になっていました。

ノスタルジックなタイムスリップした感覚です。

 

「あ~、私の肋骨の形はお母さんの遺伝なんだな」とか(マニアックですね~)

「お母さんのお臍の形ってこうだったんだ」とか。

 

Mother Earthという言葉がありますが、まさにその通り。

やはり母という存在は子供にとっては偉大なんですね。

 

私はこの人のお腹の中で育って、そしてこの世に出て、大人になるまで育ててもらったんだと。改めてしみじみと感じた時間でした。

 

当事者の本人はチネイザンなんて聞いた事もない施術にとても緊張していたそうですが^ ^

 

チネイザンに限らず、大切な人に「タッチ」をするという行為は、生命にとってとても大切な事なのかもしれません。

 

 

駒井里子

就職した自然史系博物館の勤務をきっかけに海の生き物の調査をライフワークとして続けている。

日本チネイザン協会公認プラクティショナー。